春のはかなき妖精たち

節分を過ぎますと、暦の上では春を迎えますが、まだまだ春は名のみの風の寒さです。それでも、日溜りの落ち葉の中からセリバオウレン(キンポウゲ科)の白い小さな花が咲きだしています。春の訪れを告げてくれる山野草は、他にもセツブンソウ、フクジュソウ、イチリンソウ、ニリンソウ、アネモネ・ブランダ、アズマイチゲ(キンポウゲ科)、ヒロハノアマナ、カタクリ(ユリ科)、キケマン、ムラサキケマン、ジロボウエンゴサク(ケシ科)などなどあります。これらの多くは、初夏までに地上部を消してしまい長い休眠期に入ります。これが、春の儚いもの「スプリング・エフェメラル」と呼ばれる所以です。植物園での晴れの舞台のひとときを、妖精たちは精一杯舞えるのでしょうか。

セリバオウレン セリバオウレン フクジュソウ